月: 2020年2月

コンサルタントの教育

業界の別を問わず、会社では新人に研修を施します。それはコンサルティングファームでも同様です。導入研修はもちろんのこと、各種プログラムが準備されています。研修の実際は各ファームに潜入しなければ分かりませんが、グローバル化が進んでいるファームでは、海外で研修するのも珍しくありません。入社早々に海外でトレーニングを受けるのは大変ですが、それだけ優秀だと認められている証です。研修期間も様々ですが、長期に及ぶファームはほとんどありません。座学もあれば、ケーススタディもあるため、基本的な知識とプロジェクトへの関わり方は、研修期間中に習得できる手筈になっています。ただコンサルティングはOJTで習得するものですから、実際に業務に携わってからが本番だと考えるべきでしょう。実務のスキルは先輩の傍で見ながら身に付ける他ないのです。ですから新入社員は能動的に動かなければなりません。受動的な態度ではいつまで経っても学び取ることが出来ません。積極的にプロジェクトに参加し、分からないことがあればその都度質問するようにします。先輩コンサルタントとのコミュニケーションは、その意味で非常に重要です。コミュニケーション能力のない人は、どんなに論理力に優れていても、コンサルタントとして大成することはありません。先輩との積極的なコミュニケーションは単に仕事を教えてもらうだけでなく、自分の希望を伝える手段にもなり得ます。コンサルタントは自分が関わりたいプロジェクトに参加することで、パフォーマンスを発揮し易くなります。ですから常日頃から自分の興味、関心をアピールすることで、自分が参加するプロジェクトの内容が、より自分に合ったものになる可能性が高まり、延いては自分の仕事が認められる可能性も高まるのです。自分に合ったプロジェクトに参加できる喜びは何物にも代えられません。コンサルタントが何故コミュニケーション能力を問われるのかがお分かりになるでしょう。さて、ファームによっては特殊な新人研修を施しているところもあるので、そちらをご紹介することにしましょう。あるファームでは、海外オフィスとの交換プログラムを実施しています。日本から派遣された新人のコンサルタントが、現地で半年間ほど学ぶのです。また別のファームでは、パートナーと呼ばれる人が研修に当たっています。通常パートナーは実務に当たることは無いのですが、研修期間中に限り、教育しているのです。パートナーは世界中から集まり、現地の生の声、価値観を吐露してくれます。